英語を教えていると、文字を読んだり書いたりできるようになるのが遅い子に出会います。その理由は様々で、専門家ではない人が簡単に「ディスレクシア(難読症)」や「ディスグラフィア(書字障害)」だと判断するのは危険だと思っています。
では全然知らなくてよいのかというと、そうではないと思います。私の場合は、「どんな理由があるんだろう?何かいい教え方はないんだろうか?」と調べていると、どうしても、このテーマは避けて通れなくなりました。デリケートな問題ですし、今も英語の先生がどこまで踏み込んでいいものかと悩むことは多いです。でも、言葉を教える上で知っておくべきことがたくさん含まれていますし、知らないがために子どもに辛い思いはさせたくありません。
知識を得ることで、その子に合った教え方を思いつきやすくなりますし、習う側の負担も減らすことができます。
今日は、何冊か初めて読むのに向いた入門書を紹介しようと思います。
怠けてなんかない!シリーズ
著者の品川 裕香さんは、何冊も学習障害や発達障害の本を出されています。
読みやすい文章で、入門書に必読の1冊です。まずはシリーズの中でも
「怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち」
から読まれると良いと思います。
続刊の、セカンドシーズンも出ています。
読めなくても、書けなくても、勉強したい
「読めなくても、書けなくても、勉強したい―ディスレクシアのオレなりの読み書き」
ディスレクシア当事者の方が書いた本です。実際の体験が書かれているので、ディスレクシアとはどんなものかがリアリティを持って迫ってきます。
発達障害の子のビジョン・トレーニング 視覚を鍛えて読み書き・運動上手に!
「発達障害の子のビジョン・トレーニング 視覚を鍛えて読み書き・運動上手に!」
著者の北出勝也さんは、沢山のビジョントレーニングの本や教具をお出しになっています。
視覚に関しての知識を得たいときの入門としておすすめです。
言葉と脳と心
ちょっとテーマから外れるのですが、言葉を司る脳の様々な機能について専門家の立場から書かれた本です。ディスレクシアに限らず「ことば」の理解について、とても気に入っている本です。
失語症について書かれていますが、脳と言葉がどのように結びついているのか見方が変わる一冊です。この本の中で「心象」という言葉が出てくるのですが、「心象」とは何かという事が分かっただけでも私にとっては収穫でした。万人にとって参考になるのかというと?なのですが、とても参考になった1冊です。
興味が湧いたら、専門書へ。
実は、ディスレクシアの全容を理解することは難しく、入門書を読んだだけでは「字が二重に見えたり、曲がって見えたりすること?」という風に思ってしまうかもしれません。(私は少なくともそうでした)。読めない、書けない理由は他にもたくさんあるので1冊の本で理解するのは難しいと思っています。複数の本を読んだり、ネットで検索してみることをお勧めします。