今までは1枚1枚切り離せるメモパッドにアイデアやスケッチを書いていたのですが、ノートや手帳にもスケッチを描くようになって筆記具の使い勝手が気になってきました。ノート類は紙の厚さによっては裏に表側に書いた字が透けてしまいます。
筆記具は毎日使うものなので、こだわる価値もあるかと思うので、書き味、裏写り、にじみについて調べてみました。
結論から言うと、薄めの紙に書く時は全く裏写りしないということはないのですが、裏写りの程度には色々あり、書き味や用途によってどれ位それを許容できるかという風に選ぶといいと思います。
単純に書きやすいペンはこれ!
滑らかさが抜群なので、字を書く時は「ぺんてる」のプラマンを使っています。葉書、メモなどサラサラと書けて快適な書き味。最近は字を書く時はもっぱらこれ一本です。
カートリッジ式、使い切り、カラー軸など様々な種類が出ています。でも、薄い紙だと裏にかなり響いてしまいます。
今回、比べた14本のペンのリスト。
私はメモの端やノートに図やイラストを書く場合が多いので、サラサラとした滑らかな書き味、やや太めで柔らかな線が書けるものという基準でこれら14本をチョイスしました。サインペンを中心に選んでいますが、サラサとパイロットの(ハイテック)V7はボールペンです。また、色は黒で比べましたが、輪郭線や文字を書くペンとして裏に透けにくいペンを探すのが目的だったので、グレーや茶もリストに入れています。
書き味の滑らかさを比較検討。
書き味の良さでは、以下のものがオススメです。
- ①②sarasa(サラサ)
- ③④⑤copic(コピック)
- ⑥プラマン
- ⑨ZIG MANAGAKA
- ⑬プロカラー2
裏写りの程度を比較。
▼先程の試し書きを、ノートの裏から見たところです。
②sarasaのグレーが最も裏に影響がなく、⑩のパイロット vコーンもあまり裏写りしていません。ただVコーンは元々の線が細く弱いせいもあるので、それよりも③④コピックのグレー、ブラウン、sarasaの黒のペン先が細いもの、⑨ くれたけ ZIG MANGAKA 0.5 などがオススメです。
カラーペンとの相性を比較検討。
次はカラーペンとの相性です。カラーペンも硬い線より柔らかい線を出したいので、書き心地が柔らかいものを選んでいます。
- ①くれたけ クリーンカラー2 水性染料
- ②くれたけ アート&グラフィック ツイン 水性染料
- ③Too copic アルコールマーカー(油性)
- ④三菱 ピュアカラー 水性染料
- ⑤UNI プロッキー 水性顔料
テストには①~⑤を使用しました(⑥Too copic チャオは③のcopicと同じですのでテストには使っていません)。下の画像の左から順番に①~⑤の順番で黒のラインに重ねて書いてみました。また、ペン先は1度使ったら必ずティッシュで拭って前の汚れを落としています。
黒のペンは10分以上放置して乾いた状態でのテストです。本来、耐水性のある黒いペンは乾くとカラーペンと色が混じらない事になっていますが、実際には混色してしまったものもあります。
- ①のsarasa黒はどのペンとも混色しやすいが、なぜかsarasaグレーは混色しなかった。ペン先の太さに関係するのだろうか?
- ⑥、⑦、⑧、⑩、⑫、⑭は黒が滲みやすく、カラーペンと併用するときには注意が必要。使用している素材は、顔料染料と色々。必ずしも顔料が滲まない、染料は滲むとは言い切れない。
- カラーペンをコピック、プロッキーにすれば滲みはあまり心配する必要はない。ただcopicは裏抜けが激しいので注意。
- 滲みにくさ、書き味などのバランスは、⑨ ZIG MANGAKAや、⑬ マクソン プロカラー2が比較的良い。
まとめ
試してみた結果、書き味、裏写り、カラーペンとの相性のバランスで使いたいと思ったのは以下の5種類です。
- ②sarasa グレー
- ④copic グレー
- ⑤copic ブラウン
- ⑨ZIG MANGAKA
- ⑬プロカラー2
紙が多少厚い手帳などでカラーペンで着色しない場合は①sarasaのもう少し細目の黒でも良いかもしれません。
各社のサイト等からインクの種類、特性などを分かるかぎりですが調べました。アルコールと書かれているものは溶剤に顔料か染料を溶かしたものなので油性と考えてかまいません。
インクの種類と特性については三菱鉛筆のサイトに分かりやすい説明があったので、そちらの説明をお借りしました。
油性と水性の違い
- インクの主な成分は溶剤と着色剤(色素)です。油性は溶剤として主に「揮発性有機溶剤」を、水性は主に「水」を使用します。
- 油性は水性に比べて、乾きが早く、プラスチックや金属にもインクが乗り易く、また、固着性が強い性質があります。反面、ペンキなどの塗料や塩ビなどの筆記面を溶かす場合があります。
- 水性は油性に比べて、にじみや紙の裏うつりが少なく、筆記面を溶かしにくいので多くのものへ筆記ができ、また、臭いが少ない性質があります。固着性は油性よりも劣りますが、インクに添加される固着剤や着色剤などの性能で異なります。
染料と顔料の違い
- 溶剤に溶ける着色剤を染料、溶けないものを顔料といいます。筆記具以外では、染料は繊維を染めるために、顔料は塗料や化粧品などで用いられています。
- 染料は溶剤に溶け、複数の色を混ぜ合わせることで比較的容易に新たな色を作ることができます。反面、光に長い時間当たると褪せてしまう色が多くあります。
- 顔料は溶剤に溶けない物質で、溶剤の中で均一に混ざった状態で筆記できるインクとなります。染料に比べて耐光性や耐水性に優れています。
実際に試してみた結果も、インクがアルコール性のcopicは裏抜け(色が裏まで浸透)しやすいので注意です。試してみた結果から、染料を使っているペンより顔料を使っているペンの方がカラーペンと色が混じりにくかったのですが、固着剤などの影響なのか必ずしも顔料だから混じらない、染料なので混じるとも断言出来ませんでした。
ただ明らかにカラーペンの先を汚してしまうぐらい滲んでしまう①sarasa黒、⑥プラマン、⑦ユニ サインペン リブ、⑧V7、⑫プレイカラー、⑭ ステッドラー ピグメントライナーは使わないほうが無難です。
裏写りについては表で◎がついているsarasaグレーが最も裏に影響が少なく、○がついているものは比較的良かったという結果です。またcopicは線を引くのには問題ないのですが広い範囲を塗ったり筆圧を強く書いたりすると裏に色が抜けることもあるので注意が必要です。
【おまけ】裏写りしたノートをスキャン・コピーする方法。
こんな風に裏が透けて見えている時、解決する方法があります。用意するものは黒い画用紙や下敷き。
これを紙の下に敷いてコピーまたはスキャンすると、裏の文字が見えなくなります(完全に隠せないときも、かなり軽減できます)。上の写真の裏にグルグルとペンで書いた線も見えなくなっています。ぜひ、お試しを!
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