グラレコをテーマにしたオンラインの会が先日ありました。
以前は課題本をテーマにしたグラレコを持ち寄って話す会でしたが、今年になって、それぞれ自由に外の世界でグラレコを描いてきて、それをテーマに話し合うことになりました。
会の名前も「グラレコ武者修行の会」という名前になりました。うーん、なんか「頼も〜!」って感じの名前がカワイイ。
「グラレコ武者修行の会」で話されていること
いつもこの会に出てワクワクするのは、グラレコ自体の在り方やもっと大きな枠組みが話し合われていることです。絵のテクニックや構成なんかはセミナーや書籍がいくつもあるのですが、この「グラレコの後ろにある見えないこと」について深く考える機会は、ここ以外に知りません。とても刺激的で貴重な場です。
先日その会があったので、その時に気づいたことを書いておきます。
盛らないでも価値あるグラレコ
参加者のFさんは、ある教育分野のセミナーの議事録グラレコを持ってきました。Fさんはグラフィッカーとして本も出しているほどの方ですが、今回のグラレコは、ほとんどイラストもなく色数も少ないものです。紙には時系列に参加者のQandAなどが分かりやすく並んでいます。当日参加しなかった方も詳しくセミナーの様子が追えそうです。図式化された情報やスッキリした色が印象的でした。
多分、Fさんは「グラレコの本質」は人目を引くイラストや色彩で人を引きつけることではない、と思ってらっしゃる気がします。
そう思うと、カラフルでイラストいっぱいの「盛った」自分のグラレコの欠点も見えてきます。カラフルもいいけど、それなしでも良いと思われるグラレコを描きたいな。
場の空気感
そのグラレコを見ながら、他の参加者が質問やコメントをしますが、ある発言を聞いてFさんが閃いたような表情になりました。
それはファシリテーターの一言で、「講演者に対する質問と応答がたくさん描かれているけれど、実際には講演者は言いよどんだり、間があったり、考えたりはしてなかったの?」というものでした。
ここには、その空気感があまり感じられないね、ということをおっしゃったのです。
文字の議事録は要点をすくい取れる反面、現場の空気感は伝わりません。録画は空気感も分かりますが見るのに時間がかかります。
その点、グラレコには場の空気感も反映させつつ、要点や内容を伝える力があります。ただ、それは描き手が意識していないと描けないものでもあります。
Fさんが、とても目を輝かせて「次にやってみることが出来た!」とおっしゃってるのが印象的でした。
実際、セミナーをやっている横で情報を追って描いていくだけでも大変なので、ついつい正確に、見る人が後でも分かるように……と心が向いてしまうのですが。
それでもやっぱりどこかで「場の空気感を描く」ことも意識しておこうと思いました。
そんなこと、一人で描いてると気づかないです。本当にこの会は楽しい。