相手が子どもだと大人はついつい先回りして「あれをしなさい。」「これが正しい。」と言ってしまいます。でも本当はこども自身に考えさせた方が自分に自信が持てて、結局は本人のためになるのです。私も何年も子どもと付き合ってきて、ようやく実感として分かってきました。
人に言われるより自分で考える方がずっと学びが大きいのは、大人も子どもも同じです。
3~4歳児の英語クラスでの事。
今日も3名の女の子の間で椅子の取り合いが始まりました。自分はそこに座っていただの、今日はあっちに座りたい、〇〇ちゃんの隣に座りたい等々。これぐらいの年頃ではよくある事です。
いつもはじゃんけんをさせたり、公平に座れるように私が調整するのですが、今日は中々収まらない。何を提案してもだめです。一人の子の目には涙も浮かんでいます。
小さな生徒さんは疲れているとか、今日はお母さんと一緒にいたかったとか、色々な要素でその日の気分が変わります。今回はいつもより状況が悪そう・・・。
うーん。困った私は、そのまま今の気持ちを伝えてみました。大人が指示を出さない方が上手くいくような気がしたのです。
「せんせい、こまっちゃったなぁ。どうしたらいいと思う?」
一瞬きょとん。
一呼吸おいて、一番しっかりした子が、「今日、私の席と変わってあげていいよ!」。
それを聞いてもう一人の女の子が、あわてて席を立って別の席に移りました。泣きそうな子が座りたかったのは、その子の席!
「いいの?」と聞くと、うん、と頷く。
「ありがとうね!自分から譲ってくれるなんて、本当にえらい!」
掛け値なしにそう思いました。譲ってもらった子も「ありがとう」といって座ります。ちょっと我がまま言っちゃったかなという顔をしますが、それは見ないふり。きっとこれも自分で考えて次回に生かしてくれるはず。3人とも自分で考えて素晴らしかった事をほめて、また英語のレッスンに戻ります。教室内が不思議とプラスの空気に変わります。
4歳でも、自分で考えて自分で行動できる。こんな小さいうちでも、自分で決定するという事は自信を作るのだなと思いました。