私は、算数大嫌い、国語大好きという子どもで、そのせいか人文系の成績がやたらと良くて理数系はボロボロでした。数字に強い人は羨ましいなと思います。
私は一時期、子どもの「読書教室」をしていた頃があって、自分は国語も読書も好きで学校のテストで困ったことはなかったけれど、自然に出来ていたので何が私の成績に貢献していたのか分からない。いざ人に教えるとなると、そもそも「国語力」って何か、何をどうすれば国語の成績が上がるのか考えるようになって、それは継続して今も考え続けています。
「国語力ってどうやって伸ばせばいいんですか?」
この人は知っていそうだと思うと、この質問をして回っているという、自分でも困った人なのですが、一度気になりだすと何年も考えてしまう癖があって、それは自分でもどうしようもありません。
そして、大抵の人が言うのは(主に塾の先生)、「解き方が色々あって云々」なんですが、それは違う!と思ってしまうのです。そういう事を言うのは、とにかく成績をとるために予備校や塾で解法をたくさんやってきた人が多い気がします(ちょっとステレオタイプかもしれませんが)。私の知りたいのはもっと本質的に国語の力が上がる方法であって、四択の外れを探す方法ではないんだけど。そのあたりを更に聞くと、かなり答えが怪しくなって「もしかしたら、国語ってよく分からないモノって思ってる???」と思う事がよくありました。
ずっと、この「もやもや」を抱えていたのですが、この間このブログで紹介した本で、その理由をキレイに切り分けてくれた方がいました。その方は日本語をどう人工知能に理解させるかを研究されていて、ロボットが東大入試を受ける際には国語をどう解くかを担当されていました。
国語の問題を解くための2つのアプローチ
1科学的アプローチ
- 国語力とはどのような能力か?
- 国語力を実現する出来るだけ一般的な方法を探す。
- 本質を追及する。
2工学的アプローチ
- 60点とるためにはどうすればよいか?
- 目標を達成するできるだけ簡単な方法を探す。
- ローコストを追及する
出典:ロボットは東大に入れるか P173 佐藤理史(名古屋大学)さん執筆部分
佐藤さんはロボットに国語の問題を解かせるために、試験問題を解く方法をこのように2つに分けて検討していました。
そこで、「なるほど」と思ったのが、塾で教えている事の大半が、この工学的アプローチなのではないかという事でした。
私は科学的アプローチに対する答えを求めているのに、相手は工学的アプローチの手法を話すので、なんだかすっきりしなかったんだ、と納得しました。
この佐藤理史さんも、国語力とは何かという問いに悩んでおられた位、難しい問いではあるのだけれど、子どもに教える人が「文のこの辺りに答えがある」みたいな公式ばかり教えるのは問題だなぁと思うのです。試験の点数の取り方ばかり習って、それが国語だと思う子どもを量産していない?と不安になるのです。国語をやる意味って、もっと違う気がするんだけど。