小学生に国語を教えています。国語というより言葉で遊ぶ活動と言っていいかもしれません。
国語は勉強したことが成績に見えにくいですし、勉強しなくても出来そうな気がします。
しかし、目につかないだけで国語力の差は他の教科にも影響しますし、何より「他人に伝える」「深く考える」ためには日本語をしっかり使えたほうがいいと思うのです。英語も中学後半のつまづきは国語力の弱さが原因になることも多いです。
接続詞で遊びました。
今日のテーマは接続詞。テキストはたいてい穴埋めタイプの問題集のようになっていて、あんまり面白くないのでゲーム形式にすることにしました。
おはじきと手製の「接続詞シート」で遊ぶことにします。おはじきを投げるAさんと、投げないBさんに分かれ、Bさんが前半の文を考えます。
Bさん「私は本が大好きです。」
Aさんが、おはじきを投げて入ったマスの接続詞を使って、その後の文を考えます。上手く出来れば1ポイント、失敗すれば0ポイントというルールで攻守交代して遊びます。この時に決まった接続詞は「だから」。Aさんが「だから、本を読みすぎてメガネをかけるようになってしまいました。」と続けました。
やっていて、いい練習になるなぁと思うのは、後ろに続けた文が妥当かどうか、その場にいる全員で考えるというプロセスです。
大体は意味の分かる文章は作れるんです。だけど主語がなかったり、繋がりが悪かったり。私も言いたいことは分かるのでオマケしてあげたいけど、あえて厳しく検証します。
子どもは、いつも話している感覚で文を作りがちです。相手が表情や想像でこちらの意図をくんでくれて、不完全な文章でなくても意味が通じていることに気づいていません。
全く面識のない他者でも意味が間違いなく通じるのか、みんなで考えなおしてみるのは新たな気づきもあるし、ちょっと物語の一節のような文もできて楽しめました。
一番難しかったものはこんな感じ。接続詞は「それとも」。最初に出来た文はこうでした。
鏡に映った自分の顔見てびっくりしました。を先行する文にして、「それとも」でつなぎます。
鏡に映った自分の顔見てびっくりしました。それとも、私の顔が変だったのでしょうか。
あれこれ考えて出たのがこの文でした。
もうちょっと分かりやすくしたいよね、と話し合ったのですが、一文で完結させるのはどうにも難しい。煮詰まってしまったので、もう一文も加えていいことにしました。
鏡に映った自分の顔見てびっくりしました。それとも、鏡が曇っていたのでしょうか。私の顔が変に曲がって見えました。
一度「鏡が曇っていたのでしょうか。」に変えて完成したつもりでしたが、やっぱり説明不足なので「私の顔が変に曲がって見えました。」を足しました。ちょっとこの先が読みたくなるような、ミステリアスな文章になったね、と満足そうです。
他には、
雨が降ったのでお祭りに行けません。「それに」雷もあったので行けませんでした。
こういう文章を作って、大体いいんじゃないかな、みたいな顔で私を見ます。「雷があった」は変じゃない?と言うと、もう一度考えて下の文を作りました。
雨が降ったのでお祭りに行けません。「それに」雷もそこに落ちたので行けませんでした。
このゲームを時々やると、今までより言葉に繊細な感覚が持てそうな気がしました。すぐには結果は見えないのだろうけど、どうなっていくのか楽しみです。