本を読んで語彙を増やす。国語教室で語彙シートを作ってみた。

今月の国語教室の素材は「注文の多い料理店/作:宮沢賢治」です。

今日はその本を使って語彙を増やす活動のために、語彙シートを作ってみました。時間もない中で作ったので雑~なシートですが。

「注文の多い料理店」には普段使わない言葉が入っている。

本を読む前に「せと(瀬戸)のレンガ」「ロシア式のうち(家)」「外套」「髪をけずる」がどんな意味か生徒さんと一緒に話しながら想像しようかと思っています。結構死語に近い言い方もありますね。

大人だったら、「あの事ね!」とすぐ想像がつきますが、子どもは意外と分かっていないモノです。なんせ黒電話を見たことがない世代ですから。

今日はその中から、ちょっと特殊な「ロシア式のうち」を取り上げてみたいと思います。

「ロシア式のうち」ってどんな感じ?

 

大人だったら「ロシア風のうち」というと、どんな家を想像するんでしょうか?私はニュースで見た質素な集合住宅を思い出してしまいます。

でも文脈はこうです。玄関のガラス戸を開けるとまた扉が出てきます。

「どうもへんなうちだ。どうしてこんなにたくさん扉があるのだろう。」

「これはロシア式だ。寒いとこや山のなかはみんなこうさ。」

これを読んでも、もしかしたら本州の人ははっきり「ロシア風の家」をイメージできないかもしれません。

でも寒冷地に住む子どもには、「ああ、あんな感じね!」とピンと来るのです。寒冷地の住宅には風除室というものがあって、玄関の外、もしくは中にもう一つ部屋のようなものがあり玄関の扉一枚で外と仕切られていません。

この本を読むことで、生活体験を踏み台にして新しく「ロシアのお家も北海道のに似ているんだな。」というイメージがその子の頭に蓄えられます。

これは寒冷地の子どもには想像しやすくて、暖かい地方に住む子どもには難しい面白い問題なので取り上げてみました。

本を読むと普段の生活では出会わない語彙のストックが増える。

本を読むと、こんな感じで普段は使わないたくさんの言葉に出会います。「外套」も今じゃ聞くこともないですね。でも、この本では「外套」のすぐ後にオーバコートと書いてあります。ほとんど無意識で「外套」とはオーバーコートの古い言い方だと読み手の頭の中にストックされていきます。

古い言葉だけでなく、科学用語や心情を表す言葉など、本には普段の生活では出会わない言葉がたくさん使われています。

読むことを楽しみながら言葉のイメージを蓄えていくことは、積み上がってくると大きな財産になっていくと思うのです。

 

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