1年ぐらい前から気になっていたジョリーフォニックスを習いに長岡に行ってきました。
ディスレクシア傾向のあるお子さんは英語の読み書きで苦労することが多く、それに対して公教育、民間教育ともまだまだ対処できていません。
イギリス発祥のジョリーフォニックスはLD(学習障害)児童にも高い学習効果が認められた読み書きの教え方で、今回の講師の山下桂世子先生はイギリスの大学院で特別支援教育を学ばれています(日本でも特別支援学級で教えておられました)。
私は今の日本の英語の教え方は万人に分かりやすいものではなく、英語が苦手な人が多くいるのは当然だと思っています。LD傾向のあるお子さんにはさらに負担がかかります。
どんなお子さんであれ、もっと生徒に分かりやすい教え方に出会えたらという思いで山下先生に会いに行ってきました。
ジョリーフォニックスの教え方の流れとは
ジョリーフォニックスは毎回のレッスンの中で、決まった流れに従って英語の音と文字を覚えていきます。大体15分ほどを使って行います。以下はその基本の流れです。
- ストーリーを使って導入。
- ストーリーに関連した音をアクションをつけて言う。歌を聞く。
- 空書き、ホワイトボードに書く、なぞり書き、ノートに書くなど、字形を書く活動。
- 単音を足して単語を作る活動。c+a+t=catなど。
- 音の聞き取り。単語の中のどこにその音があるか注意して聞く。
- ディクテーション。読み上がられた単語を書く。
この中では、「見る」「聞く」「触る」「動く」「歌う」など多様な五感を使っています。
それぞれどんな五感を使っているか分かるでしょうか?
複数の五感に訴える教え方。マルチセンソリーメソッドとも言います。
ジョリーフォニックスは多感覚を用いた文字指導と言われています。多感覚を使った教え方の利点は、生徒の得意な認知経路を使って情報を処理できるというところです。
ディスレクシアのお子さんは、形の認識が苦手だったり、音での情報を保持するのが苦手だったりと特定の経路の情報処理が苦手な場合が多くあります。
多くのルートから情報を渡せれば、幾つかは得意な経路にヒットすることになり、生徒にとっては「分かった!」のチャンスが増えることになります。
自分にしっくりこない五感も使うのが重要。
講義の中で山下先生が強調して仰っていたのが、「1から7までの、どの活動も省略しない。」という事でした。
これは私にとって目からウロコでした。教える時に自分の苦手な経路は使っていなかったと大反省。
私にとって「歌、空書き」は「なんでこれ、やる必要あるの?」という位、楽しくもなく、意味もない作業なのですが、山下先生いわく「あなたにとっては不要に思えても、30人も生徒がいれば確実にこの活動で分かった!と理解できる人がいる。」のです。
講師は教える時に無意識に自分の得意な経路を使いがちで苦手な経路は使いませんが、認知のタイプが違えば生徒にとっては分かりにくい教え方になってしまいます。
先生に合う合わないがあるのは、認知タイプが似ている似ていないという点は大いにあると思います。
教える側は意識的にすべての経路を使って教えないと、多感覚を使って教えていることにはならないというのは大きな学びでした。