字形指導や筆順指導をする時に、空中に大きく指で文字を書く方法があります。その事を「空書」とか「空書き」と呼びます。
指導者が生徒に向かって左手を突出し、鏡文字を書くのが一般的ですが、教える側の私自身がこの鏡文字を空中に書くのが苦手で悩ましいなと思っていました。
先日ジョリーフォニックスの指導者の山下佳代子先生から、鏡文字をマスターするコツを習いました。
右手を背中側に回し、後ろで同時に右手で同じ文字を書く。
絵のように「右手を背中側に隠して同時に同じ文字を書くと、左手で簡単に鏡文字が書けるのよ。」と教えていただきました。
ところが、やってみても上手くいきません。本当は右手でbを書けば左手は自然とd(鏡文字)になるらしいのですが、山下先生は難なく出来るのに、私は何故か両方の手がb(同じ方向)になる。
山下先生もそれを見て、「あら?この方法でも難しい?(先生と私の認知)タイプが違うからかもしれないね。」と言われて、でも結果として生徒が空中に体全体を使って文字を書くことが目的だから、ホワイトボードに大きく文字を書いて生徒にお尻を向けて一緒に書いてもいいのよ。とフォローしてくださいました。恥ずかしい・・・。
段階を踏めば、上手く出来た。
翌日諦めきれずに、一人で思考錯誤していたら急に出来るようになりました。
何が違うかというと、自分の目の前で書いていたのです。
この文字が鏡文字になったらどうなるかゆっくりと考えながら、目の前で両手で書いてみます。一文字上手く出来ると、他の文字も一気に出来るようになりました。
思うに、後ろに手を隠すという普段しない行為を減らすだけで頭の中でする作業が減って、必要なところにリソースが回せるようになったようです。負担を減らした状態で、左手の鏡文字を書く腕の動きを自動化した後に、右手を後ろに回して小さく書くという①→②のスモールステップに分けることで、大抵の文字が書けるようになりました。
この方法が万人に向いているとは思いませんが、少なくとも私と似たタイプの人には有効かと思います。
文字を覚える時、空書のステップを加えると字を覚えやすくなる生徒さんも増える事を今回のジョリーフォニックス講座で経験しました。ぜひ空書きレッスンに加えることをお勧めします。