言い負かしてやろうとは思わないけれど、相手の言っている内容が「ちょっと変だな。」と思いながら流されてしまうことが時々あります。そんな自分から変わりたいと思ったのがクリティカルシンキングに興味を持ったきっかけです。
ビジネス系のクリティカルシンキングの本は色々出版されていますが、子どものうちからという観点から書かれているものは少ないように思います。
そんな中で見つけた、『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』。
TEDxTokyo Teachersにも出演した狩野みきさんが、自分の意見の持ち方を分かりやすく書いています。
英語で話すと、しょっちゅう根拠を尋ねられる。
以前ホームステイをしていた時に、そのステイ先の5歳の子どもが空手を習いたいとお母さんにねだっているところに出くわしました。
お母さんはその5歳の子に「なぜ自分が空手を習いたいか。」を自分が納得するまで説明させていました。それこそ何十分もの時間です。こんな幼いうちから根拠を示して人を説得することを鍛えられているのに衝撃を受けたのを覚えています。
日本にいると普段の会話で根拠を問われることがないので、急に根拠を求められても上手く考える事が出来ません。
英語でコミュニケーションする時の難しさは、発音や文法の難しさもありますが、様々な事に「なぜなら」と根拠を示すのに慣れていない事も大きいと思います。話の運び方も日本とは違う気がします。
「?」という気持ちに気づこう。
この本の中で、著者の狩野みきさんは、自分の意見を持つ最初のステップは「何かおかしい。何か納得がいかない。」という気持ちに気付くことだと言っています。
「あれ?自分が思っていたことと、ちょっと違うな。」と思ったら、そのモヤモヤした気持ちの正体について自分に問い続けてみると、大事な事が見えてくるそうです。
人に意見を言うのは覚悟がいりますが、「自分にとって大事な事だと分かっていれば、これだけは言いたい。」と意見を言う覚悟が出来るとも。
「教えてください。」と聞くのは、あまり難しくない。
私は比較的「?」と思ったら放置しておけない方なのですが、その時はなるべく「教えてください。」と聞くことにしています。
実は意見を言うのは苦手なところもあって抵抗があるのですが、分からないことを聞けた時は自分に「よくやった。」と思えます。自己肯定感が上がる気がするのです。
それに「?」と思った時に詳しく聞いてみると、自分の理解不足だったり相手の方がこちらが分かっているだろうと説明を省略していたりという事も多々あるのです。
質問するということは相手の言っている事を真剣に聞いているという事が伝わるので、かえって関係が深まることも多いです。質問することなら覚悟を決めなくても比較的簡単に出来るかもしれません。