子ども時代にしりとり遊び、たくさんしましたね。私はしょっちゅう「りんご→ごりら→らっぱ→ぱせり」みたいな永遠ループにはまってました。
実はこの遊びは日本語の「音韻認識を育てる」ことに一役買っていたのです。
フォニックスを学ぶ前に、この音韻認識をしっかり育てておく事は絶対に必要です。
では、音韻認識とは何でしょうか?
日本語での音韻認識について書いてみます。
音韻認識(phonological awareness)
音韻認識とは,言葉がどんな音のかたまりに分かれるかを認識する事です。音韻認識が育ってくると、こんな事が出来るようになります。
- 単語がいくつの拍(モーラ)から出来ているのか分かる。(音韻分解)
- それぞれのモーラがどういう音か分かる。(音韻抽出)
- 文字と音を対応させることができる。
それぞれの言語にはそれぞれの音韻認識があります。人は読み書きを習う前に、遊びや普段の会話を通じて音の分け方を身につけます。
日本語で音韻操作をやってみる
「赤い」という言葉を聞いて、私たちは自動的に「あ・か・い」と分ける事が出来ますよね(音韻分解)。これが日本人としての音韻認識(拍=モーラで分ける感覚)です。
では音韻操作してみます。前を入れ替えたら「た・か・い」。真ん中を入れ替えたら「あ・つ・い」。後ろを入れ替えたら「あ・か・ん」(関西弁しか思いつかなかった・・・)。私たちは日本語に精通しているので、無意味語も作ることが出来ます。「あかれ」「あずい」「あかぐ」(前、真ん中、後ろの音をを変えました)。
日本語を話す私たちは、いつの間にか日本語のルールに従って日本語を操る感覚(音韻認識)を身につけているのです。
音韻認識を上手く使えないと、どんな感じ?
もし音韻認識が弱いと、例えば「ぶどう」を「ぶど」と書いたり、「きゃべつ」を「きやべつ」と書いたりしてしまいます。
この種の間違いは、日本語の中でも難しい特殊音節(長音、拗音など)に対する認識がまだ育っていない頃によく起こります。
フォニックスを使えるようになるには、英語の音韻認識が必要。
しかし、実はこの日本語の音韻の感覚(拍で分ける)はそのまま英語に持ち込む事が出来ません。
英語には英語の音韻の感覚(音節で分ける)があります。英語の音韻認識が育てば、英語を音節で分けたり、音韻操作も出来るようになります。
英語の音韻認識が育っていない状態でフォニックスを教えるのは、「たかい」と「あかい」の違いがよく分からない状態で、ひらがなを教えたら混乱するよね、と同じだと思うのです。