仕事柄、色々な人の本の読み聞かせを聴きくらべる機会があります。同じ本を読んでいるのに読み手によって反応が違うので、その事をずっと疑問に思っていました。
レッスンでも、子ども達に英語で何かを理解してもらうというのは、なかなかにハードでいつも「もっと分かってもらうには、どうしたらいいのかなぁ。」と頭を悩ませています。
内容が同じなのに伝わり方が違うのはどうしてなのか、誰にでも役に立ちそうな事をお話しようと思います。
話すスピード、リズム、間が大事。
相手に言っている事を伝えるためには、話すスピード、リズム、間が大事なのですが、今日は話すスピードについて取り上げます。
大体誰にでもよく分かる話速が、1分間に350字くらいのスピードです。これはNHKのアナウンサーの話すスピードで、普通私たちが話しているスピードよりややゆっくりです。NHKは高齢化社会を意識して話速をコントロールする(ニーズによって速くしたり遅くしたりする)技術も開発しているようです。
プレゼンなど緊張する場面では、一般的に話すスピードは上がりがちです。意識的にゆっくり話さないと「なんだか伝わらない。」となるので、話すスピードを時々気にするとちょうど良くなります。
話速を利用しているのが「振り込め詐欺」
この話速を利用しているのが、振り込め詐欺です。お年寄りがターゲットになりますが、一般に年齢が上がると処理できる言葉の数が減ってくるので(早口は理解できない)、仕掛ける方はワザと速く話します。大体600字/分位で話して不安をあおり、「逮捕」とか「急がないと」、「200万円」等キーワードのみを故意にゆっくり話します。
不安になったところで、弁護士役などゆっくり親切に話す人が登場し、安心感を与えて信用させるというテクニックを使っているそうです。・・・そんな風に悪用してほしくないです。
話速を正しく利用して分かってもらうには。
私たちが話速を利用する場合は、相手によってスピードを意識するということがまず挙げられます。幼児や高齢者は速く話しすぎると、こちらの意図が理解してもらえないと頭の隅に入れておく必要がありそうです。
プレゼン、商談などでは、キーワードや大事なところをゆっくり話すと相手に良く伝わります。相手が忙しかったり、神経を集中していない時はそのキーワードあたりだけ繋いで話を理解している可能性もあります。
幼児相手の読み聞かせの場合は、ちゃんとついてきているか、対話しているつもりで読む。イントネーションを大きくして読むというテクニックがあります。