毎年10月ころになると、筋子を買ってきて自家製のイクラの醤油漬けを作ります。私のイクラの作り方は母(お姑さん)から習ったものを少しづつ改良していって出来たものです。
最初は母の助手からスタートして一人でイクラを作れるまでには、味が決まらなかったり、段取りが悪かったり、色々失敗してきました。
そんな失敗から得た教訓の詰まった、私のテッパンレシピを公開しますね。
筋子3kgって、こんな量。
イクラの漬け方を教えてくれたお姑さんは多い時は9kgの筋子を一日で調理して親戚などに送っていました。イクラの醤油漬けって、そんなものだと思っていたら、道産子の友達にもびっくりされる量でした。
3kgの筋子というと、こんな量です。
さて、がんばります。
事前にやっておくこと。
- 保存用の瓶を熱湯消毒しておく。
- つけ汁を作っておく。
どちらも冷ます必要があるので、筋子をバラす前に済ませておくと作業がスムーズです。
保存ビンの熱湯消毒。
イクラはナマモノなので、しっかり保存容器を消毒しておきます。
私は保存に広口ビンを使うので、事前に3~5分鍋で煮て清潔な布巾の上に逆さまに置いて冷ましておきます。鍋からビンを取り出す時はトングを使うと楽です。
すぐ食べない分は冷凍保存しておきます。(食べきってしまうほうがずっと美味しいので、冷凍しないですむ量を作るのがおすすめです)
つけ汁を作っておく。
つけ汁は冷めたものを使うので、事前に調理しておきます。筋子は新鮮なうちに調理したいので、筋子を買ってくる前に作っておくことが大事です。
3kgあたりのつけ汁の材料と作り方です。
日本酒 200㏄ みりん 100㏄ 醤油 500㏄ ①日本酒を弱火にかけ、アルコールを飛ばす。味見してアルコールっぽい味がなくなるまで。 ②日本酒の鍋に、みりん、醤油を入れて、プツプツと小さい泡が出始めたら火を止める。
3kgもイクラを作る人は少ないと思いますが、余ったつけ汁は料理に使えるタレになるので、いつも作っている配合のまま書いておきます。
- 日本酒は純米を使うことが多いですが、純米かどうかより、アルコールを飛ばした時に苦味や酸味が出る日本酒があるので、それを避ける方が大切です。日本酒の味はイクラの味を左右しますので、色々試して気に入った日本酒を探してみて下さい。
追記:2018年10月12日
今年、何種類か日本酒を試してみましたが、月桂冠の月が最もクセがなく、それを煮切ったものを使って美味しく作れました。
- 醤油は昆布醤油を使っています。普通の醤油でもOKですが、昆布を入れておいた醤油を使った方が美味しいです。もう一味欲しい時や、旨味を足したい時は麺つゆを加えると美味しいです。
▼いつも使っている昆布しょうゆ
イクラ漬けの作り方。筋子をほぐして、つけ汁につけるまで。
私が母から習ったのは、熱いお湯で筋子を包んでいる外皮のタンパク質を縮ませて、一気に卵を外す方法です。ですが、水、お湯を長くイクラを浸けているのは好ましくありません。水の代わりに、つけ汁をイクラに吸わせたいからです。
新鮮な筋子は比較的外皮から卵を外しやすいので、最初の工程は水につけずに手や網で外したほうが水っぽくなくて美味しく出来ます。
- 熱すぎるお風呂くらいの温度(45℃~50℃くらい)のお湯に、海水濃度になるくらいの塩(1リットルにつき大さじ2)を入れておく。外皮の切れ目から左右に袋を開いて裏返した状態の筋子をお湯に入れる。手早くイクラをしごいて外す。
- 外皮が縮むので、海水程度に塩を入れた水を取りかえながら外れた皮をそっと流す。ここは手早く。3~4回水を取り替えながら、壊れたイクラの皮や縮んだ外皮を取り除く。
- 皮や壊れたイクラがなくなったら、10分程度水を切る。
- つけ汁をイクラのひたひた位の高さまで入れる。冷蔵庫で3時間ほどなじませる。つけ汁がイクラに吸われて減っていたら、容器を傾けるとイクラがスルーッと動くくらいまでタレを足しても良い。
タレを入れると、こんな感じになります。イクラがつけ汁を吸ってしまうので、時々見て、つけ汁が少なければ足しておいて下さい。
刺し身とイクラで海鮮丼にするのも、美味しいです。
筋子は旬が始まったら、なるべく早めに買うのがおすすめです。シーズンの前半に出回る筋子の方が、皮が薄くイクラにした時の口触りがいいんです。