冬休みの電話相談室での恐竜学者の小林先生と、鳥類学者の川上先生の掛け合いが話題になっていました。鳥は恐竜の一種なのか、恐竜は鳥の一種なのか、ちょっと定かじゃありませんが、とにかくこのお二人が一緒に出演している回は、どちらかの先生に質問が来るともう一方の先生も出てきて楽しすぎです。
すいません!横からすいません!
鳥の川上なんですけどぉ!
— はやて⊿? (@haya_nana_ko) 2017年8月4日
【冬休み子ども科学電話相談 171228】「M78星雲にはどうやったら行けますか?ウルトラマンに会ってみたい」先生の夢を壊さず科学的な名解答 – Togetter
川上先生の本は以前から気になっていたのですが、この電話子ども相談室のまとめサイトを見て居ても立ってもいられなくなり早速オンラインで本を購入しました。
こんな本です。
端的に言うと、鳥類学者が鳥のあれこれについてエッセイのように書いた本です。
川上先生曰く、鳥類学者の数は極端に少ないんだそうです。当然鳥類学者の話を聞く機会も滅多になく、鳥類ってこんなに面白いんだと知る機会もありません。それで川上先生自身がその発信源になってみんなに鳥の生態に興味を持ってもらおうと思って書いたのがこの本です。
それにしても、とにかく川上先生の知識が広くて話があっちこっちに飛んで面白すぎです。さっき古事記の話をしていたと思ったら、次はピッコロ大魔王という風に、予想外に話が展開していって、笑いっぱなしでした。
鳥類学者の知識を使って、森永チョコボールのキョロちゃんは樹上生活をしていたのか孤島で暮らしていたのか考察している章など、硬さと柔らかさが一緒になって独特の川上ワールドが展開しています。
一人で本を読んで声を出して笑っているので、家族には「何読んでるの?」と不思議がられる始末。
もちろんこの本を読むことで今まで知らなかった鳥の生態が分かって、読み物としても手にとって良かったなという感想です。
特に日本の学者さん達が、増え続ける外来種から日本固有種を守っている様子が事細かに書かれていて、思った以上に外来種の排除や固有種を守る研究が大変なことがよく分かります。自分の知らないところでこういう事が起こっているんだと知って、すこしモノの見方が変わりました。
文章自体は難しいのに、グイグイ読める。
あ~、本当に面白かった!というのが正直な感想ですが、使われている用語や文章の構造自体はそこそこ難しいのです。
それでも時間忘れて一気に読みきってしまいました。最近は誰にでも分かって軽く読めるように、平易な文章を使って噛み砕いて書いている本が多い中で、久しぶりに読み応えがあるけれど楽しい本に出会いました。子供の頃は自然科学系の本は大好きだったのに、大人になると読まなきゃと思う本の方が多くて、長い間、単純に楽しみとして自分に関係ないジャンルの本を読んでいなかった気がします。
ああ、面白かった(面白いと言い過ぎると、ハードル上がっちゃうかもしれませんね。ハマる人にはハマる本です)。
Amazonが勧めてくれる他の本も読んでみたい気がします。
▼購入済みですが、まだ読んでません。
▼川上先生の本を検索すると、必ずオススメに出てきて気になりすぎる・・・。