プンプン!や見て見て!を話す子ども向けZoomイベントで見つけたこと。

長い新型コロナの自粛期間、家にいることを余儀なくされて、家族以外と話す機会がないような子ども達の状況を知って、彼や彼らの心の中にあるものを言葉にしてほしいと思いました。

私たち大人にはZoomやラインやFacebookと、ちょっと愚痴ったり、不安な気持ちを話したりして、ガス抜きする場所があります。でも子ども達の気持ちはどこに吐き出せばいいんだろう?そう思って「話す」Zoomのイベントを「やってみたい」と言ったところ、英語教室の先生や学校の先生方と繋がって、自分ひとりでは出来ない規模でイベントをすることが出来ました。イベント後にサポートしてくれた方々と振り返ることでさらにたくさんの事に気づきました。

なぜ「話す」イベントをしたのか?

単純に「子どもには不満をいう場所がないじゃないか」という気持ちから スタートしたのですが、 「自分を知らない人に自分のことを伝える経験をしてほしい」とも思いました。

英語の先生として子供達と接していて,常々「 たくさんの言語経験を持っている子は精神的にも救われる部分が多い」と思っています。

ストレスの多い自粛期間に限らず、 例えば学校で嫌なことがあった時や、 自分の意に沿わないことがあった時、自分の気持ちを話せる、 事実を相手に分かりやすく伝えられる、 相手の話を聞ける子は解決の糸口を見つけやすいです。困った状況がすぐに解決できないとしても、少なくとも今の気持ちや困っている状況を「話す」ことで周りも理解してくれます。

でも子ども達の普段の生活は、決まった友達、家族、先生くらいしか話す相手はおらず、究極的には「自分のことを 話さなくてもわかってくれる人達」に囲まれていて、 話さないで済んでいることも多く、実は言葉の経験が不足している と思っています。

このイベントでは 初めて会う背景の違う相手に自分のことを話す場面がたくさんあるので、 きっと子供たちの言葉の経験に プラスになると考えました。

メインテーマは「見てほしい、聞いてほしい」。

最初は家から出られないことをマイナスに捉えていたのですが、 イベントの事前ミーティングを仲間の先生達と重ねるうちに、この長い自由時間を使って好きなことに没頭している子供たちがいることに気づきました。頑張って作ったものや、没頭したことは人に見せたいし、話したいよね となって、 これは 自粛期間にしか出来ない話題だろうと今回のイベントのメインテーマになりました。

それぞれ3~4人の小さなグループに分かれて話し合った後、 印象的だった話を全体にフィードバックする形を取ったのですが、 大人でもびっくりするような動画を作ったのを見せてくれた子、 たまたま鬼滅の刃好きが集まって同じものが好きなんだねと発見したグループ、紙工作を作ってる子、など様々。

動画は短い時間のものでしたが、大人の私でもどうやって作ったんだろうと思う出来栄えで、みんなから「おぉ~!!」と歓声があがるほどでした。

プンプンコーナーが盛り上がる。

二つ目のテーマはぷんぷんなこと。 この自粛期間に困ったり腹が立ったりしたことは大人にもたくさんあったのですから、 子供達だって当然あるはず、それをちょっと話してみる時間にしました。

すると出るわ出るわ。 不満について話すので場の 雰囲気が悪くなるかも?と事前に心配をしていたのは杞憂でした。 「 飼ってる猫に噛まれちゃった」「ニンテンドースイッチの抽選に応募してるのに全然当たらない!」から始まって、「宿題が毎日おんなじ(で退屈しちゃう)。もっと宿題の出し方を工夫してほしい」なんて話も出てきました。
このイベントのお手伝いとして何人か小学校の先生が参加してくれていたのですが、いいタイミングで教育委員会(または学校)に代わって「申し訳ございません」とお詫びのコメントを書き込むので、一同大笑い。

プンプンの時間は終始盛り上がって、言う方も聞く方も気持ちがスッキリする時間になりました。

そうだよね~、そういう本音も聞けてよかったよ。お母さんやお家の人に本音を言えることはもちろん大切だけど、安心な場で本音の話が出来たことは、このイベントをやった価値があったなと思えました。

こんな瞬間に立ち会えた。

ある女の子が休校中にお母さんと一緒に作ったマスコットを見せてくれました。みんなによく見えるように画面に近づけてくれたので、あちこちから「かわいー」「上手だね」「すごいね」と様々な声が聞こえます。

その女の子の顔には照れくさいような、嬉しいような表情が浮かんでいて、ちょっと画面の外のお母さんの方を見てはにかんだ笑顔を浮かべたりしていました。

私は漠然と「よかったな」と思っていたのですが、イベントの後のミーティングでサポーターの先生がその瞬間についてコメントされていてハッとしました。

「第三者に認められたり、ほめられた経験はその子の成長にとって大事な経験になるよね」

自分を振り返ってみて、 子供時代に誰かが褒めてくれたりしたことって、 その後の人生の糧になっている気がします。 そんな経験を重ねて、うまくいかない時でも「きっとできる」 「自分は捨てたもんじゃない」と自分を信じる力になっていました。そう思って振り返ると、あの女の子の顔に浮かんだ表情はその瞬間だったからこそ見られたものだったんだと改めて感じています。

あっという間のことだったので、振り返りの時間がなかったら、そのまま忘れていたかもしれませんが、とてもいい瞬間に立ち会っていたのだと思っています。

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