英検が来週に迫ってきたので、追い込みで生徒さんの英検対策を手伝っています。
まだ英語初心者レベルの生徒さんに英作文の指導をしていて、英語以前に訓練がいるかも?と思ったことがありました。
準2級の問題を例にあげると・・・
子どものうちからスマホを持たせることについてどう思うか?
この問題に対して、生徒さんが最初に日本語で作った反対意見が以下のものでした。
「子どもにはスマートフォンが必要な用事がない」
ところが、この生徒さんは英作文を作り慣れていないので、この日本語を英語でどう表現していいか分からなくなってしまいました。
英作文を作り慣れている人なら無意識に頭がぐるぐる回り始めて、自分が出来そうな英文にたどり着けるのですが・・・。
英検の参考書には、英単語で悩まないで自分の書ける英文を書こう、とあるけれど。
英検の参考書を見ると、「たとえ自分が賛成だと思っていても、書きやすいなら反対意見で、自分の書ける英文を書こう」と言っていて、それはもちろん試験に必要なテクニックなんだけど、その自分の書ける英文を書くまでのプロセスの説明がなくブラックボックスになっています。
実際に生徒さんに向かっていると言い換えに慣れていないから自分が書ける英文にたどり着けなくて、そのブラックボックスの中でつまづいている事例に出くわします。
学校で習う英作文は決まった言い方やシチュエーションの中で作るものが多いので、そんなに困ることがなくても、自分が思いついたことを自由に英語で書くとなると、自分のイメージから幾通りか日本語を作れないと自分の組み立てられる英語にすぐ行き着けません。
①頭に浮かんだ考え
↓
②日本語で言葉に出来る
↓
③他の表現でも同じ意味になる文章も考える
↓
④英語で言えるか脳内検索
↓
⑤もっとも相応しくて誤解を招かないものを選ぶ
英語ができる人は、自然に頭の中でこのサイクルを回しているのですが、英語初心者は④で使える英単語や表現のストックが少ないので、③で色々な日本語で言い換えができると④の脳内検索の作業が随分楽になります。
さっきの問題なら
- 「子どもはスマートフォンなしでも生活できる」
- 「子どもは電話やメールはしない」「だからスマートフォンは必要ない」とシンプルな2つの文章に分けてみる。
- 「子どもの生活にはスマートフォンは必要ない」
- 「スマートフォンは子どもの日常に必要とされない」
など、文章の構造や主語を変えたり、単語を変えることで様々な日本語で言える力が必要ということです。(多少ニュアンスが変わりますが、文脈に一番しっくりくるものを選んでいきます)
日本語で同じことを色んな表現で言う能力が英作文に役立つ。
英語で話すときも、とっさに単語が思い出せなかったり、どう表現したらいいか戸惑うシーンは少なくないですが、その時もとりあえず自分が言えて誤解を与えない英語の文章を頭の中で組み立てていかないと、会話が続いていきません。
ところが英語ではなくて、日本語でも「同じことを相手に伝えるとしたら、別の言い方だとどうなる?」と質問すると、「う~ん」と考え込んでしまう生徒さんが意外に多いんです。
これって国語ですが、英語の上達にも必要なスキルじゃないかと思います。