いつのころからか、英単語を覚える時に「あああ、覚えられない。」と思うのは止めました。
「覚えられない」のは当たり前だし、そう思うとプレッシャーになって、ますます覚えたくなくなるから。自分は記憶力が良い方ではないので、こんなスタイルになりましたが、記憶力がいい人には参考にならないかもしれません。
ターニングポイントは「英語耳」
私も昔は「覚えられない」と悩んでいたのですが、ある時「英語耳ドリル」という本をやってみて、考え方が変わりました。
その本の学習法は、英語の歌をくり返し100回から300回聞く方法で、最初は「300回!?」と恐れをなしたんですが、やってみたら300回くらいは意外と簡単に出来てしまいました。300回くらい繰り返すと、さすがに自分でも分かるくらい英語力が上がって、「そうか、繰り返しの数が少なかったんだな」と実感しました。
日本語を覚えるときと比べない。そもそもテキストの英単語は覚えにくい。
日本語なら、色んなシチュエーションで短期間に何度も見聞きするので、思い出すための記憶のフックが多くなって新しい言葉は比較的かんたんに頭の中に入ってきます。実は新しく知っても覚えられない言葉って多いものです。すぐ覚えられた言葉しか印象に残ってないから、すぐ覚えられると誤解してるんです。
私が最近覚えた日本語は、忖度(そんたく)ですが、この言葉は、マスコミで毎日繰り返して使われていたので覚えました(かなり露出が多かったので、多くの人が今回初めて出会って覚えた言葉だと思います)。別に意識的に覚えるつもりもなかったですが、それを短期間にくり返しくり返し見聞きしたので覚えてしまいました。しかも印象に残るエピソード、映像、音声とともに一つのストーリーになって記憶されています。
でも、これ、教科書に出ていて、テストに出るからって言われたら、今ほど鮮明に覚えているかは疑問です。
英単語のような、紙の上に印刷されて読み方もイマイチ分からない、前後の文脈もない単語の羅列はどう考えても記憶に残りにくいのは当たり前なんです。
覚えてないなぁ、まだ回数が足りないんだ、仕方ない。と思う。
「出来ない」と思えば思うほど、気が重くなるし、英単語の勉強が負担になります。そもそも単調な単語学習はぜんぜん楽しくないですし。
淡々とやって覚えてなかったら、「覚えてないなぁ、まだ回数が足りないのか、仕方ないなぁ。」で、またやります。落ち込みがほとんどないので気が楽です。
ただ出来る限り、色んな記憶のフックは作るように心がけていて、「文章の中で読む(前後のストーリーが大切)」「映像で覚える(その言葉でGoogleの画像検索をかけることもあります)」「辞書を調べる」といったことはよくやります。
身も蓋もありませんが、英語が普通に話されている環境に行って、インプット→アウトプットのサイクルをブンブンと回すのが一番早くラクに覚えられます。でも、それも結局はその言葉に出会う回数が圧倒的に上がって、多方面から記憶のフックを作れるからだと思っています。単に外国に行って日本人同士でつるんでいるなら日本で頑張った方がいいです。
当たり前すぎて申し訳ないのですが、「英語学習はコツコツ」と、さっさと諦めてしまうのが、結局はラクというお話でした。
11月19日 @浅草橋にて日本人の苦手な音に絞った英語発音のミニ講座を行います。定員8名