ブログを始めたばかりの頃、ランチに何を食べたとか、どこの何が美味しいとか書くのに抵抗があった。無名の私、しかも食の専門家でもない私が何を食べたとか、何が美味しかったとか、書く意味あるかな?
ブログを書く習慣をつけるために毎日続けて書くことにしていたので、とにかく何か書かねばならない。そんな時はグルメ記事も書いた。意味があるとかないとかより、続けて書くことの方が大事だ。
でも、私が書く必然性のないものを書くことに釈然としない気持ちがどこかにあった。
一方で文章というものを書き慣れない私は、 ブログという不特定多数の人の前で自分自身をどうやって出したらいいか悩んでいた。たくさんの人が読む可能性があると思っただけで文章がよそいき顔で堅くなる。
私の好きなブロガーさんは、役に立つ記事を書きながら、ちゃんとその中にその人らしさがにじみ出ていて、またここに来てこの人の文章が読みたいと思わせるようなものを書いていた。
「自分のブログを作るなら、そんな文章を書きたい!」
でも肩の力を抜いて素直に自分の思いを書くことさえできない、というジレンマに長く苛立っていた。
その間、何十冊も文章の書き方の本を読んで、色んな人のブログを読んだ。文章のどこが上手いんだろう?どんなテクニックを使っているんだろう?何を工夫したらいいんだろう?あんまり同じことばかり考えすぎて、どうでも良くなってきた。
そうして、ブログを書くのが生活の一部になってきたころ、 ブログのどこにでも自分がいるのだと分かってきた。
たとえ同じ店で食べた昼ごはんについて100人が書いたとしても、1つとして同じ記事は出来ないだろう。訪れた店の何に心を惹かれたのか、何を感じたのか、どこを見ていたのか、その一つ一つが同じ場所を訪れていても他の人と違うのだ。その記事の中には多分その人らしさが見え隠れしている。
多くの人はブログを訪れても、そんな違いには気づかない。 ブログが情報として誰かの役に立った、それも嬉しいことだ。
けれども ほんの数人は私と同じような感性を持っていて、このブログ好きだな、他にはどんな事を書いてるのかな?と思ってくれるかもしれない。
そう考えるようになってから、グルメ記事を書くことも他の記事と同じく楽しく書けるようになってきた。
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