年上の友人。
いつも私によくしてくれる年上の友人がいます。私にだけじゃなくて、損得なしに周りの人のために泣いたり怒ったり出来る人。そして笑い上戸な人。
「これ美味しかったから」「この間気になっているっていってた人、テレビに出てたの録画しておいたよ」いつも、そんな細々としたプレゼントをくれる人。
いつもよくしてくれるので、ベビーキウィをおすそ分け。
この前生まれて初めてベビーキウイを買った時、「あの人にも少しあげよう」頭にその友達のことが浮かびました。
買い物帰りに寄り道して、半分ほど置いてきました。一緒に1・2個味見して「美味しいね」と二人で喜んで。
ベビーキウイは、小さくてつるんとした緑の果物だけど、包丁で切ると切り口は小さなキウィ。味はキウィみたいだけど、ちょっとこちらの方が甘いかな。
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数日して、私がすっかりそのことを忘れた頃に電話が来ました。
「あのね、あのね」息せきった声。
「今日ね、またベビーキウイ食べたのよ。ほら、これ、こんなに小さいのに切るとキウィじゃない。それ見てたら楽しくなっちゃって。」
電話口の声が本当にうれしそうで。一人で笑ってる。そうだ、この人はこんな些細なことで本当に楽しくなってしまう人だった。
嬉しかったから、電話したの。じゃあね。そう言って電話は終わりました。
いつも私も幸せな気持ちにさせてもらっているから、ちょっとお返し、と思って持っていったのにな。それなのに、また私が嬉しくなってしまった。
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全然お返しにならなかったな。