先日、リフォームについて記事を書きました。自分のためのリフォームでも、万が一売ったり貸したりする時の事も少し考えましょうという話です。
では、実際にどういう風にリフォームする?という実例を、私が実際にプランした玄関の写真を使って書いてみました。
リフォームする前はこんな玄関。
写真は築五年程度経ったマンションのリフォーム前の玄関です(写真が古くて見づらいかもしれません)。実はこの玄関は、機能的には壁の汚れの他に大きな問題もなく、そのまま使えば使えないこともありませんでした。ですが、玄関は家の印象を大きく決める事と、多少の使い勝手の悪さがあったのでリフォームすることにしました。
室内のデザインや建具の色はその時代の流行を大なり小なり反映していてます。少し時間が経ったデザインは、建築に詳しくなくても、見た人に何となく古さを与えてしまいます。
この時代はグレーや淡い色の建具が流行っていたので、この玄関収納も淡めの色あいです。
もう一つ、L字になった収納は実はデットスペースになりやすく、見た目より物が入りません。出来ればもう少し収納量を増やしたいなと思いました。
大きな変更点は以下の3つ。
- L字型の収納をやめて、壁面いっぱいの靴箱にして収納量を確保。
- デザインがやや時代遅れなので、長く飽きないデザインに変更。
- タバコのヤニで黄色くなっているクリーム色の壁紙を、明るい色に変える。
リフォーム後の玄関はこちら。10年経った時点の写真です。
実は、この写真はリフォーム完了後10年してから撮ったものです。古びないデザインや素材を意識してプランすると、10年経過してもそんなに時代遅れの感じが出ていません。
写真には写っていませんが、写真右にはミラー付きの長もの収納があって靴以外の釣り道具やバットなど長い物がしまえるようになっています。
この玄関はあまり光が差さないので、かなり白い壁紙を使って明るく感じるようにしています。玄関は靴の脱ぎ履きで壁に手をつくことが多く、その場所が手垢で汚れてくる事もよくあるので、壁紙自体が汚れ防止機能がついたものを選んでいます。
個性を楽しむために、こんな工夫。
リフォームの際に資産価値を意識するということは、他人が見た時「住みたい」と思えるかどうかに尽きると思います。古さを感じさせず、便利で、万人が好むものはどんなものか?という視点です。
だからといって、自分の家なので自分らしさがないのも本末転倒な気がします。
この玄関も、そんなに個性的ではありませんが実は少し工夫していて、収納の取っ手は別に取り寄せたものをつけています。
既成品を取っ手なしでオーダーして、別に取り寄せた取っ手をつけています。元々の取っ手のままだと、やや時代遅れな感じだったので、このようにしました。
今でも特に問題がないですが、もし家を手放す時でも取っ手だけを付け替えて時代にマッチした雰囲気を出すことが出来ますし、自分でも飽きてきたなと思えば取り換えが可能です。
その他には、壁の上にピクチャーレールという絵を飾るためのレールが取り付けてあって、壁に穴を開けることなく絵や写真を飾ることが出来ます。
玄関収納も収納量を考えると壁いっぱいを収納にしたいところですが、物を飾ったり、圧迫感をなくすため、全面を収納にしないでおきました。
それぞれ自分らしさを出しながら、いつでも変更できるように意識しています。
服で言うと、ベーシックな本体にボタンやアクセサリーで変化をつけるような感覚です。
まとめ
リフォームは頻繁にするものではありませんし、カタログを見ると個性的でワクワクする商品もたくさんあるのですが、「もし自宅を売ったり貸したりするとしたら?」と考えると、誰にとっても便利でいつまでも美しくという視点が出てきます。
すると、少し冷静に「ずっと使いやすい」家にするにはどうしたらいいかと考えるようになります。自分らしさがありつつ、バランスのよいリフォームができるように思います。
この玄関のリフォーム例から、誰にとっても好ましいデザインでも自分らしさが出せるというのを感じて頂けたらと思います。