私のいる語学学校では、TOEICや行事のない金曜日は有志によるスピーチコンテストがあります。
スピーチの種類は毎週変わって、プレゼンテーションや台本なしのインプロンプトスピーチ、そしてディベートなど。
ディベートが一番難しいのは分かっていたのですが、短い滞在で私が参加できるチャンスはこれだけだったので思い切って参加しました。
結論としては、すごく大変だったけど、得るものも多くて、参加して良かったと思います。
水曜日の夜にテーマとチーム決め。そこから生活が一転した。
水曜日のランチの時間に希望者を募って、その日の夕方に肯定側、否定側のチーム分け、テーマの発表。よーいドンでコンテストがスタートです。今回のテーマは「嘘発見機は法廷で使われるべきか?」。
日本語でも、そんな議論はしたことがないし、まして嘘発見器を英語で言おうと思ったこともありません。
私は否定側のチーム。自分の持ち時間4分でスピーチをしなければなりません。この瞬間からディベート最優先の生活が始まりました。
やってもやっても終わりが見えない。
1日目はメンバーと方針を決めて、自分の担当の原稿を書きます。
お題が発表された直後にカフェに集まって、作戦会議。まず嘘発見器って何よ?みたいなところからスタートして、嘘発見器の信頼性についての論文やら、仕組みやら、判例やらを調べます。
しっかりしたロジック、裏付けのある事例があるほどいいスピーチになりますが、こんな事、日本語でも難しいのに英語で言えるんだろうか?
不安しかない・・・。
その後、自分の部屋に帰って原稿を書き始めるも、右往左往で夜中の2時に見切りをつける形で終了。明日、先生に原稿チェックしてもらって覚え始めないと間に合いません。
2日目、ひたすら覚える。
ディベートは聴衆やジャッジに自分チームの正当性を納得させるゲーム。
しっかり原稿を覚えて、ちゃんと自分の言葉で話せたらベスト、とは分かっているものの、4分間分の英文を覚えるのは本当に大変。最初は語彙もかなり難しいものを使っていたのですが、自分も覚える時間がないし観衆にも不親切なので、それをまた簡単な単語に書き直したり予想外の作業も色々ありました。
授業も、朝のわずかな時間も、休憩時間も全部突っ込んで覚えても間に合わない。暗誦して、原稿書き直して、添削してもらって、また暗誦して・・・。暗誦した回数、100回とは言わないまてもハンパなかったです。
「こっちの方が説得力があるよ」と、先生の添削を受けて全く別の文章に変わることも何度もありました。同じ一つのことを言うのにも、こんな言い方があるんだ!とすごく勉強になりました。
ディベートに出ると、TOEICが200点は上がるという嘘みたいなホントみたいな噂を聞きましたが、こんなに英語の暗誦したら、そりゃ上達するよね・・・。
本番。緊張マックス。あれ?単語が出てこない?
あっという間に本番の日が来て、全生徒の前で発表です。しかも相手方の主張を聞いて、それを崩す質問もしなきゃいけない。難しすぎです。
私の番が来て、前に出た途端、最初の単語が記憶から消えてしまいました。あれ?あんなにやったのに?言い出しが思い出せない!!!
次にキーワードのA lie detecter(嘘発見器)が上手く言えません。ディテ、ディテ・・・みたいになって突っかかる。練習では一度もならなかったのに、なぜ今?
結局、あんなに練習したのに、時間内に収めるために途中をカットして、半分位しか話せませんでした(涙)。
私以外のチームメンバーのスピーチが素晴らしかったのと、元々テーマが否定側(私のチーム)に有利だったので、辛くも勝利。でも、相手チームも同じように頑張っていたのを知ってるので、どっちが勝ってもいいよね、という気分です。参加メンバー全員、あれを乗り切った仲間という連帯感が生まれます。
連帯感とワクワクと。ついでに英語の論理展開にも慣れてきた。
大変とは言え、チームメンバーとの作戦会議や準備期間は、終始ワクワクした気分。
同じ目標を持った仲間と、勝ちにいこうっ!という連帯感が心地よいし、何か1つの事を協力して仕上げるのは楽しかったです。
単に失敗するかもというストレスでアドレナリンが出てただけかも知れませんが。
オマケとして良かったのは、練習を通して、ロジックな話の組立てってこんな物なんだと体感を得られたこと。
語学学校に来た理由の1つに、英語の論理展開に慣れたいという目的があったのですが、何度も音読や暗誦する事で、英語スピーチの運びのコツが体に染みてきた気がします。
後日談
日本に帰って来て朝ご飯を食べてる最中に、言えなかった最初のフレーズ(justification 根拠)をやっと思い出しました。遅すぎ・・・。
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