花ふきんが素晴らしい理由。消えそうなモノに命を吹き込んでくれた人、中川淳さんにありがとうと言いたい。

昨日、花ふきんをプレゼントにもらった話を書いたのですが、花ふきん自体も素晴らしいので、そのことについて書きます。

プレゼントは何を贈ったらいいのか悩んでいる人へ。もらって嬉しかった「買えるけど買わないもの」 | willbe

昔からあった「蚊帳ふきん」

花ふきんは、元々は奈良のあたりで生産されていた「蚊帳ふきん」です。

私は奈良の近くで生まれ育ったので、はっきりとこれが蚊帳ふきんだと意識したことはなかったのですが、子供の頃から身近にはあったものなのです。

あまりにも当たり前にあったので、便利だとか速く乾いていいとか思ったこともなく、単なる生活の道具の中の一つでした。

昔のままの作り方、売り方をしていたので、徐々に売れなくなっていたといいます。確かに当たり前すぎて、私も大人になって絶対に蚊帳ふきんが欲しいと思って指名買いした記憶はありません。それぐらい存在感が薄かったのだと思います。

中川淳さんによって、花ふきんは息を吹きかえした。

段々とすたれそうになっていた蚊帳ふきんを「花ふきん」と名付けて売り出したのは、奈良に本社を置く中川政七商店です。

中川政七商店は奈良の茶道具や和雑貨を扱う会社だったのですが、十三代目の中川淳さんが家業を継いでから破竹の勢いで成長しています。中川さんが大切な仕事の一つとして位置づけているのが、「日本の工業を元気にする!」ことだそうです。

そのために、商品について、リサーチをしブランディング、ストーリーづくりして・・・と今の時代に暮らす消費者に合うように作り変えるのです。

具体的にどんな事をしているかは、中川さんの著書「経営とデザインの幸せな関係」に書かれています。いいなぁと思った製品がどんな思いで作られているのか知るとまた一段と愛着が湧いてきます。

ただ吸水性がよくて速く乾くだけではない。

花ふきんの良さは高い機能性、つまり水をよく吸うのに速く乾くところですが、もっと素晴らしいのは現代の暮らしに合うようにデザインを変え、それをきちんと伝えていることにあると思います。

いくら機能が高くても、ふきんを乾かしている姿が昭和の雰囲気だとキッチンの景観もぶち壊しです。花ふきんは、今の暮らしに馴染む色や柄になっていて、むしろ花ふきんを置くことでキッチンが素敵になるくらいデザインに気を配ってくれています。

さらに添付のカードや会社のサイト、様々な媒体を使って、花ふきんの良さを伝えています。そのことで花ふきんを使っている人は更に愛着や満足感を持てる所が素晴らしいと思います。

ちなみに、花ふきんは、2008年グッドデザイン賞 金賞を受賞しています。

なぜ、ふきんがグッドデザインなのでしょうか?

「需要が減るばかりの蚊帳生地を活かすという地域振興の発想もさることながら、最大の魅力は大きくて薄く、しかも強いという生地そのもの。大判薄手のふきんはいろいろな形、サイズの器に対応するとともに、畳んで使うと吸水性が良く、広げれば速乾という、ダブル機能を持つ」

花ふきん グッドデザインなわけ | 株式会社中川政七商店

新しい使い方も。

柄のない花ふきんは大判で、タオルとしても使えるサイズ感です。速乾なので、旅行に持っていくと便利そうです。今回プレゼントしてもらった1枚を旅行用タオルにすることにしました。

モノを通して、その背後にいる人の思いを知るのが好きです。愛されてこの世に送り出されてきたものを、大事に使うのはそれだけで何となく幸せな気分になります。

中川政七商店公式通販サイト

気付かないうちに忘れられそうになっていた蚊帳ふきんを、今の暮らしにマッチさせて世に送り出してくれた中川さんに感謝です。

最近、話題の経営者として、メディアで姿をお見かけすることも多くなりました。何冊か本も出ているので、それを読んでから中川政七商店に足を運ぶのも面白いですよ。

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