児童英語の先生同士で時々話題に上がるのは、アルファベットの筆順です。教科書によって違う筆順がいくつもあるので、どれが正しいかという話になるのですが、それぞれの指導者の考えに従って教えられているように思います。
で、今日「英語の文字・綴り・発音のしくみ」という本を読んでいたのですが、その中にアルファベットの筆順についても書かれていました。
どうやって書き順は決められるのか?
この本の中で、大石さんは、「書きやすさ、美しさ、弁別機能(他の文字と見分けやすさ)習慣によって書き順は決まる」と書いています。
特に私たちが使っている日本語は、筆で字を書いていた頃の、留めや払いといったストロークに沿った書き順になっています。書き順通りに書くことで、理にかなった書きやすさ、弁別しやすさが生まれます。例えば、書き順通りに書かないと、「ツ・シ」や「ソ・ン」、「向・何」は見分けがつかなくなりそうです。
そんな私たち日本人なので、当然アルファベットにも書き順があるだろうと思っていたのですが、実はアルファベットには「正しい書き順」は存在しないのだそうです。
教科書等で示される書き順は例の一つであり、他が誤りであるということと必ずしも同意ではないのです。
書き順は自由だ。じゃあ、どう教えよう?
まだアルファベットを習いたての子ども達を見ていると、実に自由な順番で書いています。
正しい書き順がないとしても、私としては「見間違いを起こす字」を書いてほしくないと思います。書き順ではないですが、中学後半になっても、aの上をきちんと閉めていないのでuに見える文字を書いたりする生徒は結構いるのです。そして単純な形で構成されているアルファベットは見間違いやすい字が多くあります。
黙って見ていると、幼児さんの中にはo(オウ)を下から書き始める子が結構います。この本にも書かれていますが、下からoを書くと場合によってはeと似てくるのです。potと書いたつもりがpetと読めるなど、見間違いを起こしやすくなります。
もう一つは書き順通りに書いたほうが、文字のバランスが取りやすく、結果として読みやすい字を書けることになります。
まとめ
アルファベットに正しい書き順はないというのが結論ですが、美しさ、見間違わない字を書くという意味で書き順は有効だと思います。ただ、字を覚えるだけでアップアップしている時には一気に筆順まで厳格に教える必要はなく、これだけはという字に絞って、後はゆっくりと教えていこうと考えています。