『ドラマと学びの場』ドラマ教育がどんなものか覗いてみたい人におすすめします。【書評】

技術の習得や、プレゼン、ブログ、文書、など普段私たちは言葉なしでは過ごせないほど、言葉というものを使っていますが、もっと非言語の持つ力を使ってもいいのではないかと思っています。

その一つの手法として、演劇的なものと学びを結びつけるという活動があります。

日本の教育の世界でも、イギリスを発祥としたドラマ教育(ドラマ・イン・エデュケーション)が注目を浴びています。

私が先日参加したインプロのワークショップは、そういったドラマ教育の一種と考えられています。

せっかくなので、ドラマ教育についてもっと知りたいと思いました。
今日ご紹介するのは、そんな「ドラマと学び」について俯瞰的に考えるキッカケになる本です。

こんな本です。

この本は2012年に2日間に渡って行われたワークショップ、それに付随して関係者の間で対話した事を書き起こしたものです。

その場の雰囲気が伝わるよう、活動やディスカッション部分は会話形式で書かれていて、必要に応じて関係者の思いがコラム形式で挟まれています。

① インプロ(鈴木聡之さん)
② コミュニケーション・アーツ(岩橋由莉さん)
③ プレイバック・シアター(羽地朝和さん)

の3つのワークショップの様子と、事後の対談や考察を通して、教育とドラマのあり方を描いています。

グッときた点。

そもそも私は、この3つの手法を知らなかったので、本を通してどのような事をしているか知る事が出来ました。

非常にかいつまんで書くと、それぞれの手法はこんな感じの活動です。

  • インプロ・・・台本がない即興表現を使った活動。即興表現を通して、失敗を恐れない態度、素のままの自分、他人を受け入れるコミュニケーションを体験できる。
  • コミュニケーション・アーツ・・・五感を研ぎ澄ました「感じる」体験、自己表現を通して、自分自身がもつ力に気付く。
  • プレイバック・シアター・・・参加者の一人の経験などのストーリーを選んで、その場の人たちで即興で演じることにより、演者、観覧者として他の参加者と体験を分かち合う活動。

何とかこういうものだと要約を書いたものの、短く説明しようとすると「本当にこんな風に定義づけていいのか?」という気持ちになってきます。

ドラマ学習自体が、言葉で切り取った時に、こぼれ落ちてしまうようなものが沢山詰まっているのだという気がしています。

本を読んで強く思った事は、「体験しなければ芯のところは分からない」ということでした。本を読んで分かったつもりになるのは、一番してはいけないことではないかと思いました。

この本が気になった方は。

ドラマ教育に興味ができた時に、自分はどの手法が合っているか、やってみたいと思うかの、当たりをつけるのに良い本だと思いました。

その後、実際に足を運んでやってみるのが、一番の近道だと思います。また、インプロ関連の本がamazonなどで入手しにくい場合(定価より高いものしか出品されていない等)は、直接出版社や書店に問い合わせると定価で入手可能かどうか分かると思います。

 

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