先日、インプロのワークショップに参加してきました。
インプロとは即興という意味で元々は演劇の表現練習の一つでしたが、最近は新しい学びの形として企業研修や教育の場で使われ始めています。
「即興で何かを表現する」というのは英会話を教えるのに、とても馴染みがいいんじゃないかと思っていました。
インプロとは、「即興」という意味の英語Improvisationを略した言葉です。
Improvisationという言葉は、音楽・美術・ダンス・演劇など、
芸術分野での「即興表現」全般を意味しますが、
インプロパークがつくる場での「インプロ」は、「台本のない即興演劇」を由来としています。即興演劇は、20世紀半ばにイギリス、アメリカなどで盛んになり、
世界じゅうに広まっていきました。
わが国には、90年代に俳優たちのためのプログラムとして入ってきましたが、
現在では、演劇の枠を超えて、学校教育、社会教育、企業研修など、
様々な場所での「学び」に取り入れられています。
今まで本で読んだり、少しだけ体験したことはあったけれど、実際にワークショップに参加するのは初めてです。
インプロは、正解のない世界。
ファシリテーターの鈴木 聡之さん(すぅさん)のガイドで、ゲームのような、遊びのようなインプロの世界に浸っていきます。
まずは今日の自分の体調を表してみることから始めます。会場の端々を0から100%のスケール替わりに、参加者全員が自分の体調だと思う場所に立っていきます。私は前日に寝付けなくて、寝不足気味なので40%の場所に立ってみます。
次は、今日の気分を横軸にして不機嫌から気分上々まで、右が0%、左が100%というふうに決めて、自分の気分を表してみます。元気そうに見えるけどAさんは体調イマイチなのかとか、自分は結構少数派だなぁとか、色んな事を思います。
そこで、すぅさんに「別に不機嫌だから悪いということもありません。ただ、自分はそうなんだなとか、色んな状態の人がいるということが感じられればOK」というような事を言われました。
その後も、幾つかのワークをしましたが、段々分かってきたことは、「インプロには正解も不正解もない」ということでした。
自分の感じたままを出して、受け入れてもらうこと。
インプロは即興なので、感じたままをすぐ体で表現していきます。心地よいスピード感で進んでいくので、恥ずかしいとか、これはダメかな、とか考えるヒマがありません。
例えば、「写真の人」というワークは出されたタイトルに従って、3~5人で一つの写真の中の人になりきります。その間声を出して相談するのはNGというルールがあって、とっさに自分の直感で何になるか決めて、ポーズで表していきます。
夢中でそれらのワークをしていると、「自分で考えたことが受け入れられること」「体で表現すること」「失敗がかえって場を面白くするので、気にならないこと」が、とても心地良く思えてきました。
それは、すぅさんが伝えたかった事で、私はいつの間にか「間違いなんてない世界」をインプロを通して体感していたのでした。
私たちは正解を探しすぎていないか?
思ってみると、大人も子どもも、いつも正解を探しています。
試験も学校も必ず正解があり、大人も子ども「あるべき姿」があって、正しいとか正しくないとか、効率的だとか成功法だとか、いつも何か「決まった何か」を探している気がします。
ほんの一時の間ですが「正解のない世界」で遊ぶことは、ガサガサになった自分の気持ちに水をあげたような幸福感がありました。
自分を表したり、そのあるがままの自分がみんなと調和しているのを感じると、心が元気になって、もっと何かやってみたい!という気になってきます。
学び方には色んな形がある。
何かを学ぶ時、私達が経験するのは圧倒的に「正解がある」学び方です。何かお手本があって、それに向かって修練していくタイプですね。
でも、それだけだと、不足する何かがあるような気がします。
インプロには、学ぶことを活性化したり、楽しくしたりする、従来の学び方にはないものを感じました。
今回、インプロをお教えいただいた鈴木さんのサイトがこちらです。インプロについてもいろいろ書かれていますので、ご興味があれば是非。