どこに向かって行けばいいのか分からない時、誰かが言葉をくれる。
その言葉は、遥か遠くの灯りのように、ぼんやりと霞んでよく分からない。
私には、その言葉の本当の意味が分かるほど、経験も知識もないのだ。中身のない言葉が、遠くでちらちらと揺れている。
それでもとにかく、その言葉を頼りに、歩く。
転んだり立ち止まったりしながら行く、経験の旅。
やがて、その光に行き着くころ、同じ言葉をまた覗くと、私なりの意味が詰まっていた。
今なら分かる。その人が本当に言いたかった事。
心地よい重さの、その言葉をカバンにしまって、また、歩き出す。
また遠くに、誰かが置いてくれた次の言葉が光っている。
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