夕方、急に必要なものがでて、急いで近所の食料品店に走りました。
魚を調理用にさばいてもらってレジに並んで、さあ支払おうと思ったら財布がない。
大きく口の空いたトートバッグを持っていたし、スリにあってしまったのかも・・・とすこしドキドキしました。
それでもとにかくこの状況をなんとかしなくてはいけません。
レジのおばさんに、財布が見当たらないこと、家に連絡をして何とかお金を用意すること、計算が終わった買い物かごを財布が届くまで預かって欲しいことを話しました。
大きなスーパーだったり、人が並んでたりしたら違うことを言ったのかもしれませんが、人もまばらになった小さな食料品店だったので、無理を承知でお願いしました。
できないと言われることも覚悟していたのに、おばさんは、「大丈夫?ゆっくり落ち着いて。こっちは気にしなくていいから」と言ってくれました。
明らかにお店の都合より、私のことを心配してくれていたのでした。支払いを待ってくれるかもとは期待しましたが、その言葉には少し驚きました。
車に戻って家に電話すると、案の定机の上に私の財布が置いてありました。
家族にすぐに届けてくれるように頼みましたが、それでも財布を受け取ってレジに戻るまでに15分か20分ぐらいかかりました。
すいません、と謝ると、「本当にあって良かったね。少し戻るのが遅かったから、もしかしたらと心配したけど、あったのだったら良かった」とニコニコして清算してくれました。
それは、店員さんとお客さんのやりとりではなくて、お母さんと子どものようだと思って、ほんのちょっと泣きたいような懐かしいような気持ちになりました。
規模が大きくなったり、効率化を考えた店舗だと絶対起こりえない会話です。
自動やセルフのレジも増えてきましたが、そんなスーパーでは、こんな出来事に出会うことはないんだろうと思うと寂しいです。
こういうイレギュラーだけど、人の温かみを感じるやりとりって、とても貴重だと思いました。
via PressSync