税理士の井ノ上陽一さんのブログが好きで、かれこれ数年読ませていただいています。井ノ上さんの読んでよかった本のリストの中に文章の書き方の本があったので、私も読んでみることにしました。
ブログを書き始めてから、少し集中的に文章の書き方の本を読んでいます。「良い文章とはこういうもの」と、自分なりの軸を持ちたいのです。
著者の加藤明さんは週刊朝日の編集長や朝日新聞論説委員だった方です。同時に朝日カルチャーセンターでエッセイ塾の講師もなさっていて、今回の本もエッセイの書き方に的を絞っています。広く言えば、ブログもエッセイのようなものなので、大いに参考になりました。
「センテンスを短くする」「構成を起承転結にあてはめる」「具体的に書く」など、どの文章術の本にも書いてある基本的な事も解説してくださっているのですが、加藤さんの口から語られて改めてなるほどなぁと理解が深まる部分が多々ありました。
エッセイ教室の生徒さんの作品や、向田邦子さん、東海林さだおさんなどプロのエッセイも事例として多く載っていて、その文を読むことで具体的に「ここがいいな」とか、「こんな書き方がだと読みづらいな」と体感できます。
こうして改めて読むと、プロの文章は簡単に書いているようだけれど、実は工夫されているんだなと気が付きます。
文章の三要素は「表現・構成・内容」だ。
文章(エッセイ)は、「表現・構成・内容」の3つの要素で成り立っています。この3つが揃ったものが、良い文章なんだそうです。簡単に伸びる力もあれば、伸びないものもあるようです。
- 表現(文章力)は才能である。
- 構成(起承転結)は努力である。
- 内容(ネタ)は運である。
文章が上手くなりたいと思っている人は、表現の仕方や凝った文を書くことが大切だと思いがちです。しかし、文章の良さに大きく影響するのは構成で、誰でも身につけられるものだそうです。面白いテーマに当たるかどうかは運次第ですが、普段から人を観察していることが大切だとも言われています。
この3要素について読んでから文章を書く時には、「今日のは構成がうまくいった」とか、「表現にこだわる時間があったら構成を練り直そう」と何をどう変えようかと考えやすくなりました。
そもそも文で情報を伝達すること自体が難しいのです。誰もが知っている親しみやすい言葉で、分かりやすい構成で書けたら大成功と思っていいのだな、と自信をもらった一冊でした。
この本が気になった方への3冊はこちら。