政府で、2016年6月2日、規制改革実施計画が閣議決定されました。その中で通訳案内士制度についても見直しがあるそうです。
通訳案内士制度の見直しでは、有資格者以外による業務従事を禁じる「業務独占」規制を廃止。誰もが通訳ガイド業務に従事できるとしたうえで、有資格者以外がこの資格名称を使用することを禁じる「名称独占」のみを存続するものとした。ただし、業務独占規制の廃止による団体旅行のクオリティを担保するため、「訪日旅行商品の企画・手配を行っているランドオペレーター等の業務の適正化を図る制度を導入する」としている。2016年度内の法案提出を目指す。
無資格ガイドも業務が可能に、通訳案内士制度で規制緩和、政府が閣議決定 | トラベルボイスより
通訳ガイドは無資格では有償のガイドが出来ませんでした。通訳ガイドは英語関係の資格試験の中でも難しいものの一つ。
それが2020年のオリンピックをにらんで、深刻な人手不足の解消のため規制を緩和する方向に動いているようです。
観光庁の「通訳案内士制度の見直しについて」が分かりやすい。
こちらのPDFが通訳案内士をとりまく環境や、各国の様子について詳しく書かれていて分かりやすいです。
韓国では、1999年に通訳ガイドの規制緩和を行い、業務独占を廃止した結果、 歴史を歪曲・縮小したり、虚偽の説明をするガイドが増えたり、過度のショッピング誘導と、オプショナルツアーの強要等が増えて、2009年に制度を見直した経緯があります。
日本でも、無資格になると間違った情報を伝えたり、サービスの質が下がることが心配されますが、他の記事では実際にガイドとして常時稼働しているのは有資格者の1割ぐらいとも伝えていて、資格自体が上手く使われているのかなと思いました。資格をとった人をもっと上手く活用できる仕組みを作ったほうがいいような気がします。
有資格者の団体からは規制緩和になった場合に質を落とさないよう、幾つかの提言がされていました。
もしかして、通訳ガイドさんは若い人が必要?
北海道の通訳案内士について調べていたら、写真のあるガイドさんは年配の方が多く、「アニメ」とか「流行りのラーメン店」「カワイイ」などの外国から来た方が求めるイマドキの情報との親和性ってどうなのかな?と思いました。
資格試験、難しいと言われてますし、若い人が少ないんだろうと思います。
とにかく、しばらくは通訳案内士制度自体が変わりそうなので、試験を受けてみたいなと思われていた方などは注意が必要かなと思いました。