昔と比べて、現代は文字を読む時間が圧倒的に増えています。メールを見たり、ネットで何かを検索したり。でも一日24時間しかないのは昔も今も変わりません。
心理学の実験で「見えないゴリラ」という有名なものがあります。画面上の男女のパスの回数を数えることが課題として与えられると、ゴリラに扮した人が画面に現れても気づかないという実験です。集中していると、たとえゴリラが自分の目に映っていても脳は気がつかないのです。
これは逆に言うと、人は「知りたいことに集中して、他はさらっと見る」という事ができるということです。
人ごみの中で友達を見つけるとき、友達以外の人の顔をじっと見ているでしょうか?おそらく見ているのは「友達の顔かどうか?」という特徴だけで、そこだけ確認してどんどん次の人の顔を見ているでしょう。
これは文字を読むときにも使えます。読む前に自分に質問するのです。「ミーティングの日時はどこか?」「持ち物は何か?」「自分の生活のヒントになる情報はあるか?」等・・・。きっと何かを知りたいと思って読んでいるのです。
この質問をしてから読むと、「必要ではないところ」はそれを確認するだけで早く読むことができ、「知りたいところ」になるとスピードを緩めて注意深く読むことができます。
「質問をする」ことは自分の中の無意識と対話することでもあります。言われてみれば、すでに自然にやっている方もいるかもしれません。しかし改めて、自分は何のためにこれを読もうとしているのか自分に伝えてみてください。
いつもやっている事だとしても、きっとより早くなるはずです。無意識が舵をとって、自然に必要なスピードに調節してくれるはずです。
もちろん大事なところは落ち着いて普通に読みましょう。早く読んでやろうと意気込むと視野が狭くなって、かえって読むのが遅くなってしまいます。
明日はもっと早く読むための「跳躍性眼球運動」のお話をしたいと思います。