英語先生をやっていて、ドキリとする事があります。英語を習っているにも関わらず、日本以外に興味がない子が結構いるのです。日本にいれば、好きなゲームも漫画もなんでも手に入る。外国のゲームだって楽しいものだって入ってきているよ。わざわざ日本の外に目を向ける必要があるの?そんな気持ちが透けて見えます。
いやいやいや、英語が話せるようなっても、それって大丈夫なの?と不安を覚えずにいられません。
英語より、世界の中の自分という気持ちが大事。
私たちの手に届く外国のモノ、情報、サービスは、必ず誰かの手を経て加工されています。日本語訳は言うまでもなく、サービスもモノも私達に合うようなものが誰かの目で選別されています。逆に日本人の嗜好やニーズに合わないものは入ってきても消えていっているはず。
日本にいて見えるものが、世界の全てだと、勘違いしているんじゃなかろうか?
もう一つ、外国に行ったり、よその国の人と何かやるって大変だよね、と思っているフシがあります。日本に満足しているから、わざわざ大変な事をする動機がないのです。もしかして傷つくのが怖いのかもしれません。
確かに、文化や言葉が違う人と付き合うのは大変です。恥もかくし、イライラしたり、怒ったり。私も日本はいいなぁと恋しく思ったことが何度もあります。
けれど、付き合ってみないとわからない事や、そこに身を置かなければ分からない事はたくさんあります。
居心地がいいのは確かだけど、その日本というぬくぬくとした巣は、いつ壊れるかも分からないのに、外の風に吹かれたことがなくて大丈夫?
日本の国は安全で満ち足りているから、めんどくさい外の世界のことなんて関係ないって思うのは、とても危険だと思うのです。
大人は意識的に楽しい世界を見せてあげたい。
いくら英語を勉強しても、世界の中の自分という意識がないと、どこかで行詰まる気がしてなりません。周りの大人が、世界に興味をもつように気をつけてあげることはとても大事だと思うのです。
まずは楽しく。大人が「ハロウィンって、本当はどんな習慣か調べてみようか?」とか「アメリカの夏休みって、日本よりすごく長いらしいよ!」とか、子どもが「へぇ~面白そう。」とか「いいな~。」と思えるように意識するだけでも全然違ってくると思います。