秘技”th”しゃべり
こんにちは、ニコです。今日は英語先生としてつかう技のお話です。
子ども達にthreeのthの音を教える時に、上手くいかないなぁと思うクラスには秘技を使います。
名付けて「thしゃべり」!
thの音は日本語にはない音なので練習が必要です。普通に私が口元を見せて真似させても、クラスの半分位は違う音を出している事などしょっちゅうです。
口の中を真似するのって、普通の生活ではやらないことなので、とても難しいことなんです。ああやっても、こうやっても、ちがう、ちがう、と先生に直されると「一体、どこをどうやったら、先生はOK出してくれるの?」と見る見る教室の雰囲気がどんよりしてきます。
そんな時は、ちょっとお遊び。大げさに歯と歯の間に舌をはさんで見せて、「thえんthえいは、今日、thぁかなやさんでぇ、thぁんまを買ってぇ、…」と日本語のサ行のsにあたるところをthに変えて話してあげると、生徒たちは大爆笑。これが私の「thしゃべり」。
「はい、じゃあ、repeat after me」と、さっきのth交じりの日本語を生徒たちにも言わせます。そんな変な事、出来ない〜と照れる女子にもやらせます。大体笑いながらも、いっしょうけんめいやってくれますけど。
いや、単にふざけている訳ではないんです。なぜかその後、英語でthが入った単語を言わせると飛躍的に上手く発音できるのです。
なぜ上手くなるのか、私なりの考察。
これはまず馴染みのある音に慣れない音を混ぜるとその音が際立つのが一番目の理由。その聞きなれない音にのみ注意がいくので、音の違いに無意識に敏感になるのと、自分でしっかり自分がどんな音を出しているか聞き分けられるのではないかと思っています。きちんと聞き分けられれば、ずっと楽に正しい音に調整していけます。
日本語にthを混ぜると、違和感に笑ってしまって、リラックスできるのが2番目の理由。発音を直されるのは、かなり否定された気持ちになるのですが、そこが笑いで緩和されます。考えてもみてください「あなたのしゃべり方、そこおかしいよ。」と指摘されるのって、ものすごく傷つきませんか?そんな中で覚えるより、楽しんで覚えた方が絶対早く上達します。
そんな理由で上手くいくのではないかと思います。
大人は一人でこっそり遊んでください。
日本語に英語音を入れると、当然 違和感が生まれます。変な日本語になったら、正解です。では、下唇の上に上の歯をそっと乗せて”f”の音。それから下のフレーズ練習。
「fみちゃーん、fたり分のおfとん、乾いたかな?fかfかしてたら、取り込んで。」
大人がこれを一人でブツブツ言っていると、かなり怪しいので一人の時にこっそり遊んでくださいね。