ここ最近、新しい講座のテキストを作っていたのですが、仲間の先生とテキストのサイズについて話す機会がありました。
その中で、テキストのサイズは小さめのB5サイズがいいか、大きめのA4サイズがいいかという話になりました。テキスト代は受講者さんにご負担いただくので、なるべくコストをかけたくない点ではB5がよかったのですが、出来上がったテキストを想像すると絶対A4だなと思いました。「どうしてA4がいい?論理的に言える?」と聞かれて、「ここは感覚でしか答えられないけど、A4の方がいい。思考が広がる感じがする。」と答えると、「私もそう。A4がいい。」と返されました。
論理的って言っておきながら、自分も感覚で選ぶんかーい!と思いながら、その先生も同じ感覚を分かってくれて思いかけず嬉しかったです。しかし、この感覚ってなんだろう?と自分なりに考えてみました。
紙の本
紙の本の方が読みやすいという話をよく聞きます。それは単に慣れの問題だけではなくて、実は 手触り 他のページ 匂いなど、私たちはそれが実物だというその他の情報を無意識に受け取っている気がします。手にとれる本当にあるもの、という感覚は、記憶や思考を確かなものにするのに一役買っている気がするのです。
私自身が本を読むときは、周辺視野にはいる文字は、読めていなくても大事ですし、最初に目次を見て本の構成を頭に入れてから読むことが多いので、読んでいなくても触っているページあたりはこんな感じで話が進むんだろうなとは無意識に考えているような気がします。ちょっと空間的にも本をとらえている感じですね。
それと同じ感覚で、先ほどのB5の紙の大きさだと、頭の中の作業場もちんまりしてしまって、ものを考えるのには窮屈だなという感じを持ったのです。
電子書籍
紙の本は場所を取ったり、劣化するのが欠点ですが、それでもずっと紙の本の方が好きでした。電子書籍の内容は頭に入りにくいので嫌いだなと思っていました。その先生との会話の時まで言語化したことがなかったのですが、おそらく空間的に本の存在をとらえられないのが原因だったのか、と納得しました。
私にとって、電子書籍は、そのページだけが存在していて前後がブラックボックスになっている感覚があります。デバイス上でページをめくると確かにページはあるんですが、手触りがないのが何とも頼りないのです。
電子書籍の方がいいかも?と思う時。
電子書籍は苦手だといいつつ、最近は持ち運びの便利さもあって、電子書籍で本を買う事が増えてきました。そうすると、だんだん電子書籍にも慣れてきて、当初ほど不快ではなくなってきます。
そうこうしていると、ある時、圧倒的に電子書籍が便利だ!と気付く時がありました。ある方のブログをまとめた本を読んでいたときです。最近の本は書き溜めたブログをまとめたものも増えてきていますね。ブログにはたくさんリンクがはってありますが、それがそのまま記載されていることも多々あります。電子書籍はそのままリンクを押せば、そのページに飛べるのですが、これは本当に楽なのです。
紙の本を読んでいても、傍らにデバイスを置いて、気になった言葉や紹介された本を調べることが多いのですが、これも電子書籍の方がコピペして検索するのが圧倒的に楽。
記事にリンクがはってあるというのは、増える事はあっても減ることはなさそうです。そうなると、電子書籍の方がいいと思うようになるのかもしれません。
ただ、モノとしての本のたたずまいも大好きなので、紙の本がなくなってしまうのは何とも残念です。うまく共存共栄していってくれるといいな。